方陣

方陣
歩兵や砲兵の支援なしで攻撃してくるフランス軍騎兵隊に対して、 敵の無謀ぶりに呆れながらもウェリントンは自軍に20個の方陣を作るよう命じます。 この方陣は四辺に歩兵3列を外向きに並べたもので中央に荷物や負傷兵を置きました。 3列に並ぶ歩兵の最前列の者はひざをついた姿勢で銃剣つきの小銃を45度の角度に構えて、 銃剣の槍ぶすまを作ります。後の2列の歩兵は交代で小銃射撃を繰り返しました。 この陣形は正面も側面も背面もすべて同じように固められているので、騎兵の攻撃を防ぐには極めて有効でした。勇敢なフランス軍騎兵隊はこの方陣目がけて何度も突撃しますが、至近距離から小銃の一斉射撃を浴びて大きな損害を出します。 この激戦の最中、ウェリントン方陣から方陣へと馬で駆け回って部下たちを激励し続けました。 フランス軍騎兵隊は損害ばかり大きく効果のない攻撃に疲れ果てて、夕方には引き揚げていきます。

方陣
近代初頭における歩兵の代表的陣形。二列または三列で正方形を組む。前列は片膝を付き後列は直立、三列目がある場合は二列目の兵士の間から狙撃する。この陣形はどの面から攻撃されても味方によって射角が阻まれることがすくないため、極めて高い防御力を発揮できる。