部長ならできます。わたくし部長ができます。

部長ならできます。わたくし部長ができます。

自分「あなたの経歴書を拝見しました。前の会社では営業第三部長をなさっていらしたんですね」
顧客「はい、そうなんです」
自分「それで、実際にはどんなことをなさってたんですか」
顧客「えっ、はい。課長2人を通して、営業マンを40名ほどマネジメントしていました」
自分「で、具体的にはどんな・・」
顧客「ですから、営業の統括を・・」
自分「あの、申し訳ありませんが、あなた自身は何ができるんですか?」
顧客「ですから、あの、部長ならできるんですけど・・」

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大企業ならばまだしも、中堅企業以下では、「部長」ができる人はそうはいません。
本当に「部長」ができるなら引く手あまたです。
「部長ならできます」−この言葉が本当なら、即採用です。
コンサルティングにお伺いして、仕事が済んだ後の雑談をしていると経営者や人事を担当する取締役の方々が「うちは管理職が足りなくて」とぼやいていらっしゃるのをよく聞きます。

そう問題は、その中身なんです。

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部長の仕事とは

役職が上に上がればあがるほど、仕事の内容は曖昧になります。
まず部長クラスともなれば指示を出すのは経営者ですから、そもそも具体的なことをいうはずがありません。
そのくらい考えろ、部長なんだから!といわれるのがオチです。

さらに部下を介して仕事をするようになりますから、自分が直接手を出した成果というものが少なくなってしまいます。
これも、何ができると聞かれて答えにくくなる要因の一つのようです。

そもそも部長の仕事というのはとらえどころがないのです。
だから能力やスキルを証明する実績や逸話で語る方が、説得力があるのではないでしょうか?


ところで、役職位が高くなると、求められるのは、実務能力ではなくて、戦略を構築するなどの概念化能力と、人をとりまとめたり指導・育成したりする人的能力です。
先の経営者、人事担当取締役もそうしたものを求めていらっしゃるようです。

「部長ならできます」という話のもう一つの側面は、大企業で部長ができても、中堅企業ではできないケースを指しています。
この場合は、能力とかスキルとかという以前に人間性に課題があるようですね。
部下のいろいろな支援があって初めて仕事ができていることに気づかずに、全てが自分の成果だと思っている部長さんだと、新しい職場ではたちまち愛想を尽かされてしまうようです。
自分では何もできない部長だと・・・。
職務記述書には書いてないかもしれないけれど、中堅企業、中小企業の部長には、少ない人数でうまく回していくための気配り、心配りも必要です。
こっちの部長の方が大企業の部長よりも難易度高いかも

以上になります。




部長ならできます。わたくし部長ができます。
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