The Four Feathers サハラに舞う羽根 (2002) THE FOUR FEATHERS

サハラに舞う羽根』(サハラにまうはね、原題:The Four Feathers)は、2002年のアメリカ、イギリス合作の映画である。英国文学の古典的名作とされるA・E・W・メイソンの小説『四枚の羽根』の6回目の映画化。 監督は『エリザベス』のシェカール・カプール

■映画『 サハラに舞う羽根 (2002) THE FOUR FEATHERS 』の背景

 さて『 サハラに舞う羽根 』の背景を見てみよう。アフリカ北東部のスーダンでは、イギリスの帝国主義を加速させるエポック・メイキングな事件がおきている。1885 年、首都ハルツームでイギリスの国民的英雄であったゴードン将軍 Charles George Gordon ( 1833-1885 )が、援軍が到着する2日前に、過激なイスラム原理主義のマフディー軍に殺されたのだ。 1896 年にイギリスは2万5千の軍隊と共にキッチナー将軍 Horatio Herbert Kitchener ( 1850-1916 )をスーダンに派遣し、2年かかってハルツームを陥落する。アフリカ横断政策をとるフランスとファショダで対峙するも、外交交渉でイギリスの縦断政策は勝利し、 1899 年スーダンはイギリスの支配下におかれた。

 原作者A・E・W・メイソンが、映画『 サハラに舞う羽根 』の原作「四枚の羽根 The Four Feathers 」を出版したのは 1902年である。このイギリスの愛国的小説から、当時のイギリス国民感情が読み取れるような気がする。ハリーが着せられた不名誉は、ゴードン将軍を失った当時のイギリス国民には自らの不名誉のように感じたと思う。ゴードン将軍の代わりに、もしくは、彼の仇を撃つように、スーダンで活躍をするハリーに、イギリス人は胸のすくような思いをしたにちがいない。そして現実でも、スーダンを手にいれ、大英帝国帝国主義を拡大していく。

アブーの情報を無視したイギリス軍は、反乱軍に取り囲まれた。そこで必死の「角陣」を組んでの戦い。これはさすがに迫力がある。イギリス軍は何とか全滅を免れて一部は退却。

「自分を戦場で救ってくれたのはハリーだ!」